設計と提案力

設計について

住宅の設計は間取りと外観を考えるだけではありません。
その空間の居心地の良さや周辺環境との調和、光や日射の取り入れ方や風通し、造作家具や建具のデザイン・使い勝手、構造的に問題がないかどうかの検討や耐久性、断熱・省エネ性、冷暖房計画や素材の選択、さらにはコストコントロールまで多岐に渡ります。
もちろん、これらに施主様の望まれる暮らしや生活スタイル、家族構成などを踏まえてプランニングしていくことになります。

それらのことを一つ一つ検討した上で最終的に家を建てる為の図面にして表現することが設計だと考えています。
(その為に日々新しい情報に触れたり、勉強をすることは欠かせません。)

  • 空間構成などの基本プラン
  • 構造と冷暖房を含めた温熱計画仕様や素材の選択
  • 造作収納や造作家具などの収納計画
  • 電気計画と照明計画
  • 建物配置と外構計画

このような内容をお打合せしながら提案しておりますが、お打合せ時にコストやメンテナンスの事まで考えてご提案できるのは、設計から施工まで一体的に行い、点検なども自ら行っているからです。

家の設計

プランはさまざまな要素が絡む為、それらのベストバランスを考える

基本プランのご希望をお聞きする時には【どんな暮らしをしたいか】を大事にしています。
バーベキューをしたい、楽器を弾きたい、家庭菜園をしたい、映画鑑賞をしたい、ロードバイクの手入れをしたい、本を読むのが好き、釣り道具を飾りたい、ハンモックで揺られたい、ウッドデッキでお茶をしたい、犬や猫との生活を楽しみたいなど、せっかく家を建てるからには自分達が最もやりたいことを実現できる家を考えたいと思っています。

部屋数や大きさよりも何をする為にそのスペースが必要か?から大きさなどを考えていくことで無駄なスペースを減らし、本当に必要なスペースを確保していきます。

例えば間取りなどについては下記のような事を考えながらプランニングしています。

  1. 立地条件や周辺環境から考える敷地と建物計画
    敷地の条件や周辺の環境を現地で確認した上で周りの景色や日射の入り方、高低差の生かし方などを考えて敷地の使い方と建物の配置を考えます。
    周辺の環境によって見たい方向と景色が見えてきますので、そちらに開く計画していくことになります。
    この時に将来の変化も予想しながら考えることも大事だと考えています。
  2. できる限りコンパクトな住宅・・大きくし過ぎない
    建物を大きく計画すれば費用がかさみます。
    限られたご予算の中で出来る限り、質の良い家を建てるには必要以上に大きく建てないことが大事だと考えています。
    そうすることで全館冷暖房を行っても光熱費などのランニングコストやメンテナンスコストも抑えることが出来るからです。
  3. つながりがあり、家族の気配を感じる空間
    コンパクトな家にするには廊下などのスペースは最小限にして、空間をつなげる必要があります。
    さらに上下の空間も吹抜けなどでつなげる事で冷暖房を効率よく行え、上下階の温度差を減らすことができ、ご家族の気配も感じる事ができます。もちろんプライバシーが必要なスペースは最低限確保した上での話です。
  4. 無理のない構造計画とパッシブデザイン
    無理に大きな部屋を作るよりもある程度の大きさで区切ることでコーナー的な居場所をたくさん作ることが出来ます。
    それにより柱や壁などを必要な部分に設けることができ、構造的にも無理のない計画になります。
    同時に窓の配置や大きさも光や日射、風通りを検討した上で計画していきます。この窓の配置は住宅の設計をする上で最も難しく、何度も検討を行う要素ですので、ここに窓が欲しいと言うご要望があっても理由がない限り安易に設けることはありません。
  5. 家事がしやすく回遊性のある動線
    家事のしやすさは普段の生活のストレス軽減に不可欠です。
    帰宅動線や買い物動線、洗濯動線やゴミ出し動線など普段の生活をお聞きしながらプランを行います。
    また家事動線を考える時に出来る限り、行き止まりではなく、家の中をぐるぐる回れる回遊動線を取り入れる事も重視しています。
  6. 必要な場所に必要な収納計画を
    収納はたくさんあれば良いわけでもありません。
    まとまった大きな収納よりも基本は使う場所の近くに使う物を仕舞える収納を設ける事を大事にしています。
    それは収納する物が奥行の深いものは少ない為、小さな収納でも散らかり難い家が実現できると考えている為です。
    合わせて造作収納を考えていく事でスペースを最大限活用して収納量を確保します。
  7. 中からの景色と同様に大事な外からの視線
    周辺の環境を見た上で景色や家の庭とのつながりを考えて窓を設けますが、この時に中からの景色と同じように外からの視線を考えるのも大事です。
    外構計画も含めて、外からの目線を遮る方法も検討してご提案しています。
  8. 明暗の差をつけた照明計画(必要な所に必要な明かりを)
    夜の照明計画を考える時にただ明るくするだけではくつろぐことが出来ません。
    家でくつろぐ時間には落ち着いた明るさで自然と入眠できるような照明計画は不可欠です。
    また空間の印象も照明計画によって大きく変わる事からインテリアの一部としても大事な要素になります。

他にも外観や吹抜けなどの立体的な空間計画など複合的に考えていきます。
また、機能的で無駄のない動線計画だけでなく、どこかゆとりを感じられるスペースや余白を設けることで普段の暮らしに潤いや癒しになるのではと考えています。
それは例えばニッチであったり、飾り棚であったり、たまりのような空間を計画することもあります。そこを見る事で少しでも暮らしにメリハリが生まれ、心豊かに暮らして頂きたいと考えています。

提案について

そこに住む方に合ったトータルコーディネート

  • 素材や配色などのトータルコーディネート
  • 手に触れるドアノブ、ツマミなどのアクセサリー類
  • 照明器具の提案
  • 家具などの提案

また、住まい手の好みを反映しながら、空間全体がトータルで馴染むようにご提案する事をとても大切に考えています。

そこで暮らす人のイメージに合うものや好きなものをお伺いする事は大前提として、どのように暮らしたいかをお聞かせ頂いた上でトータルコーディネートをさせて頂きます。
コーディネートやデザインの提案は『お任せします』とご依頼頂く事もよくありますが、そのようなご依頼は私達にとって良い意味でのプレッシャーになります。

人によってはそこそこ良く見える家にする程度で提案したり、今までの設計やご提案からの引用で楽をするのでは?と思われるかもしれませんが、私達を信用してお任せ頂いている以上、そんな事はできません。
私達は施主様の想像を超える家にする為に、『思った以上でした』と言ってもらえるレベルを必ず目指すことになります。

それは今までの施工事例をご覧頂くことである程度、おわかり頂けると思いますが、その敷地条件や住まい手に合った家になるように様々なスタイルやデザインの家をご提案してきました。
これはどうすればその住まい手に合った家になるかを考えた結果と言えます。

また住み始めてからその良さに気づいてもらえる家になるように想像して細かい部分まで配慮した設計や施工を行う家づくりに励んでいます。