連休最終日の昨日は神戸市垂水区のA様邸で構造断熱見学会を開催させて頂きました。

構造断熱見学会の案内は、
家づくり相談会にお越し頂いた方で
構造断熱にご興味をお持ちの方を対象に
ご連絡させて頂いたところ、
4組の方がご参加下さいました。
皆様とは相談会でお話しさせて頂いていますので
基本的な事はすでにご存知の方が多かったです。
家の構造や断熱、耐久性に影響が出る部分を
実際の現場を見ながら説明させて頂きました。
中にはかなりマニアックなご質問を頂き
少しでもわかりやすいように回答させて
頂いたつもりですが、それでも初めて
工事途中の現場をご覧頂く方には
少しわかりにくい事もあったと思います。
それでも皆様、真剣に家づくりを学ぼうと
興味を持ち、最後まで残って
ご覧になられていた事も嬉しかったです。

現場では検査の後、外付加断熱の施工を行いました。
フェノールフォーム断熱材を外張りで張っていく事で
厚みを抑えながら性能をしっかりと確保しています。

外付加断熱材の上から透湿防水シートを貼りました。
この透湿防水シートは湿気は通しますが
水は通さない特殊なシートになります。

透湿防水シートの上から通気胴縁と呼ばれる
木の桟を柱まで届く外張り断熱用の強度がある
長いビスでしっかりと固定していきます。
その上にさらに横にも胴縁を留めました。
これは仕上げの板張りを縦方向に張るのに
横に桟が必要になるためです。
通気胴縁の間から屋根裏に空気が流れるように
軒天の下地を留めています。
軒先の黒く見える部分が軒裏の換気部材になります。
この軒裏換気材と屋根の一番高い位置にある
棟換気材から暖かく湿った空気が排出されることで
壁の中や屋根裏に湿気が溜まらないようにしています。

内部ではセルロースファイバーの
屋根吹込み断熱を行いました。
300mmの厚みをパンパンになるまで
吹き込んでいますので
少し膨らんで見えます。

壁の中(柱の間)には高性能グラスウールを
隙間なく充填していきます。
現場でも説明させて頂きましたが
断熱材が自立するほど密度が
高い物を使っています。
同じグラスウールでも繊維の細さや
密度によって断熱性能が違います。

断熱材を入れ終わると防湿気密シートを
別張りで施工していきます。
防湿気密シートを別張りにすることで
連続させやすく、確実に防湿気密層を
作ることができます。
これらは大工さんをはじめ職人さん達が
施工のポイントを理解した上で
どれだけ丁寧に施工するかが不可欠です。
どんなに計算ですごい断熱性能になっていても
現場の施工が杜撰だと下手をすると計算の
半分程度しか実際の性能が出ない場合もあります。
現場での施工の大事さをご理解頂く為に
このブログや構造断熱見学会を行っています。
また機会があれば、このように
現場を見て頂く機会を設けたいと思います。
快く、会場をお貸し下さったA様ありがとうございました。