明石市のＦ様邸では大工さの造作工事が進んでいます。
天井や壁に下地の石膏ボードを貼っています。
ボードを貼ると仕切りがはっきりとわかり
部屋の大きさがイメージできます。
ボードを貼るタイミングに重なりましたが
気密測定を行いました。
専用の測定器を使って家の中に
どれくらいの隙間があるか測定しています。
気密測定の結果は今回もＣ=0.2cm2/m2でした。
今回も大工さんは少し悔しそうでしたが
十分に高気密な性能です。
もちろん、数値は良いに越したことはありません。
しかし、気密性の数値だけではない部分に
熱の出入りや快適さに差が出ます。
例えば、窓と柱の間にある隙間に
断熱材を詰め込んだり、吹き込んで処理をします。
これは窓周りが最も断熱的に弱いので
それを少しでも抑えるためです。
その後、柱部分まで防湿シートを貼ったり
コンセントには気密ボックスカバーを施工し
気密テープでしっかりと押えます。
こうする事で壁の中への湿気の浸入や
壁内部のカビを防ぐことができます。
これは屋根の棟木部分の断熱補強として
断熱材を入れています。
本来、棟木下の壁部分には断熱材は必要ありませんが
棟木部分が熱橋にならないようにする為の施工です。
（熱橋とは熱を伝えやすい部分の事）
こちらは屋根の吹込み断熱を行う前の様子です。
写真ではわかりにくいですが、
壁ぎわの天井に間接照明用の掘り込みを行う為
その部分だけ断熱材が薄くなり
熱橋になってしまいます。
そこでセルロースファイバー吹込み断熱の
倍の性能があるフェノールフォーム断熱材で
断熱補強を行い、他と同等の断熱性を確保しています。
気密測定を行ってくれた方と話をしていると
これらの施工を丁寧に行える大工さんは
ほとんどいないようです。
ただ見た目の気密性能を上げる為に
現場発泡系の吹付け断熱を行ったり
施工手間を省く為に防湿シートを省略したり
簡単な施工で見栄えの数値が良くなる方法を
採用する事が多いという話を聞きました。
断熱もそうですが、これらは数値ではわかりません。
実際に住みだしてからわかったり、
場合によっては数年から十年後に
わかってくることかもしれません。
（比べない限り、ずっとわからない事かも・・）
そんな話を大工さんや測定を行う方と話していて
残念ですが、なんでもわかりやすく
簡単に判断できる事が良しとされる
時代の流れなのかもしれません。
愚痴っぽくなってしまいましたが
少しでも違いをわかって頂くために
発信していくしかないと思います。
いずれにしてもプライドを持って仕事をしてくれる
大工さんや他の職人さん達の存在は本当にありがたいです。
外部では板金屋さんが軒の先端部分である
破風板や鼻隠しをガルバリウム鋼板で巻いて
同じくガルバリウム鋼板製の雨樋を施工しました。
外部の主要な仕上げを統一することで
同時期にメンテナンスを行う事ができる為
全体のメンテナンスコストを抑えられます。
屋根には太陽光発電パネルの施工も終わり
後は窓周りなどのコーキングを施工して
外部の足場を外す予定です。