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新住協の総会

一昨日、昨日と仙台まで新住協の総会に参加してきました。

新住協の総会

新住協は高断熱の住宅を研究する技術開発集団です。
詳しくはコチラをご覧頂ければと思いますが、30年に渡って高断熱な住宅と普及に真摯に向き合ってきたグループと言えます。
私達もその中で勉強させて頂き、先人の知恵から地域に合う性能や設計の考え方を研鑽してきました。
そして1年に一度、新しい技術や今後取り組んでいくべき課題について発表や意見交換会が行われます。
それが総会なのですが、今年は特にその地域に合った性能のQ1.0住宅を少しでも普及していけるように具体的な仕様の落とし込みからデザインに至るまで幅広い発表がありました。

その中でも印象的だったのが写真の内容で、どの会社でも省エネ住宅と謳われている昨今、その住み心地や光熱費に大きな差があることを知らずに家を買ったり建ててしまう人が多いと言う事実です。
実際には住んでみないとその違いは分からない為、あとでそれを知って後悔される事があると言うのは、私達の発信不足もあると思います。
もちろん、少なくとも私達にご相談頂く方には精一杯お伝えしているつもりですが、それ以外の方に知って頂くことは出来ていないのが現状です。
それが医療や教育の現場になぞらえて、住宅格差と言われていたのがとても響きました。

新住協セミナー

2日目の研修はさらに最新の技術的な実践をされている会社さんの発表や鎌田先生の話を聞かせて頂きました。
特に最近、注目の階間(かいかん)エアコンについては今後、計画を考えていたこともあり、大変貴重なお話しが聞けました。
疑問に思っていたことが解決でき、他の暖冷房方法についてもかなりクリアになりました。
結局のところ、それぞれ長所・短所がある為、その案件ごとにしっかりとした設計を行い、設計者が住まい手の条件や立地、プランによって最適な方法を提案できるかどうかが鍵だと言う事がよくわかりました。

画一的に仕様を決めようと思うと無駄なコストが掛かってしまい、結局そのツケを払うのは住まい手という事になります。
それでも、豪華なパンフレットやプレゼン資料に騙される人があとを絶たないですが、インターネットのおかげで少しずつ、情報を求める方には届くようになったと思います。
ただ、私達はそれを少しでも多くの方に知って頂く為、日ごろからの情報発信が大事だと再認識した2日間でした。

松島

研修後、飛行機の時間まで少し足を伸ばして人生初の松島へ。
震災時の津波被害があった地域で津波の高さを示す印が随所にあり、大きな樹木の切株がありましたが、表面的には復旧も進んでいるようでした。
ただ、東北の工務店さんに話を聞くといろんなところで爪痕が残っているそうで、やはり一筋縄ではいかないようです。
昨今、頻発する自然災害を考えるとそれに対する家づくりの在り方も考える必要があると感じました。

そんな松島でも古い建築物を巡ってきましたが、その中の一つでは座敷でお茶を飲むことが出来る建物があり、そこで少し休息を。
思わず見入ってしまう景色と落ち着いた佇まいの日本家屋に慌ただしい日常を忘れて、心が洗われました。

また、心新たに頑張っていきたいと思います。